「武蔵くんも、わざわざごめんね??」
多分、一人で夜道を歩かせるのは危険だと思って着いてきたのに違いない
「ううん、いいよ~
俺はいつでも暇人なので」
この間会ったときの様な、気まずい雰囲気はここにはもうない
きっと、それは二人の配慮のおかげだ
──心からの感謝でいっぱいになる
「うん、それ間違ってないよ
毎日暇そうにしてるもんね」
優美がしれっと言ってのけると、武蔵くんは口を尖らせて拗ねた
「ちょっ、そこは否定して欲しいんだけど…!!
俺、もう泣いちゃう…!!」
「どうぞ、ご勝手に」
二人のこのやり取り見るの、久しぶりだなぁ
相変わらず、仲が良いよね
言い合う二人の会話が面白すぎて、私は久々に腹の底から笑った
「──りりか、これ休んでた分のコピーね」
ファイルに挟まれたそれを、私は受け取り申し訳ないと眉をハの時にさせた
「迷惑ばかりでごめんね
本当にありがとう」
ここまで迷惑かけてしまっている事に後悔をしていたりもする
だけど、二人の好意に私はこれからも甘えていってしまうのかな…??
強くなる、なんて言っているけど、このままなら実現なんてしない
駄目な自分に、私は唇を噛みしめる