片付けをする為に席を立ち、キッチンへ

「俺、これから仕事しないといけないから、部屋に戻るね
せっかくの初日なのに、ごめんね」

「いえ、そんなっ
社長さんなんですから、仕方ないですよ」

「ありがとう、頑張るよ」

「私も、その間に自分の部屋で荷物を片付けときますね」

と、言っても片付けるほどの量でもないね…

「うん
あ、それと…」

階段に伸びていた足を翻して振り向く

「“近藤さん”呼びは禁止ね
夫婦になるんだから、不自然でしょ??
“春輝”て呼んで??」

ほらほら、と慌てる私を、もっと急かす

「…は、春輝……さん…」

「ふはっ、呼び捨てて言ったじゃん!!」

「さっ、流石に、年上の方に呼び捨ては出来ないです…!!」

「んー、けど、なんか他人行儀みたいでやだな~」

「なっ…!!」

口を尖らして拗ねる彼に、私は握り拳を作って

「…わかりました」

と、頷いた

その答えに満足をした、春輝…は2階に上がって行った