──数十分後…

出来上がったオムライスを、まじまじと見つめる、近藤さん

ここの家には、食料という物が本当に無くて、何を作ろうか迷いに迷った

明日は、食材を買いに行かないと駄目だね

「…こんなの作れるとか、すごいね」

いただきます、と合掌をして、さっそくパクリと一口

「…社長さんのお口に、合いますか??」

こんなチンケな物より、絶対毎日良いもの食べてるから、不安で仕方ない

「──うんまい!!!!
ちょー、美味い!!
こんなオムラ、ゴホッゴホッ…!!」

「そんないっぱい口に入れたら、咽せますってっ」

彼の背中をトントンと叩いて、側にあったお茶を手渡す

「…ふぅ、ありがとう
あまりに美味すぎて」

「気に入って貰えたなら良かったです」

言っても、そこらへんのオムライスなんだけどね

「俺、どうしても料理だけは不得意でね…
それ以外は、なんとか一人でも大丈夫なんだけど
偶に秘書がここに来て、料理してくんだ」

「あ、だから、それで少し食品があったんですね」

「そう
…なんか、久しぶりにちゃんとした飯食った」

ニコニコと微笑む近藤さんは、心から喜んでいるみたいだった

「こんなので良ければ、毎日作りますよ」

ここの家事全般を、任されてるからね!!

「えっ!?マジで!?
それは嬉しいな
邪魔だった飯が、楽しみになりそうだ」

「ふふっ、そんなこと言ってたら、また倒れますよ??」

そう私がからかうも、彼はニヒッと綺麗な口を上へあげた