「あちらでお待ちでございます」

案内してくれたクルーの方が、奥のテーブルを指した

あの人か…

後ろ姿なので、どんな顔なのか検討もつかないが、雰囲気からして若い人みたいだ

緊張しながら向かう

「近藤様、お待たせしてしまい大変申し訳ございません」

その人が、ゆっくりと振り返った

「えっ…!?」

この間の、道端で倒れた人…じゃない…??

その時と少し髪型が変わっていて、当の本人なのかは、今の段階では判断し難いが…

「いや、構わない
俺もさっき来たばかりだ
…この子が約束の子で間違いないな??」

「はい、左様でございます」

「じゃあ、もう戻っていい
会長には、また後日連絡をすると言っておけ」

「かしこまりました」

ペコリと軽く頭を下げると

「りりか様、ではまた何かあればご連絡致します
では、失礼致します」

私にそう声をかけて、そそくさと帰ってしまった

え、えー!!!

そんなすぐに帰るとは、思ってもみなかった…