「おやすみ、りりか」

「おやすみ」

すぐに寝息が聞こえてくる

私はベッドを抜け出し、明日の準備をする

必需品だけを鞄に詰め込む

服やそれ以外の必要な物は、向こうが既に買ってくれているらしい

私は着の身着のままで良い、と篠原さんが帰り際に言っていた

棚に置いていたお母さんの遺影

「…私、間違ってたのかな…??」

ねぇ、お母さん…

私の選択は…あってたの…??

ポタポタと、涙が零れる

泣いちゃいけないのに…

溢れ出ちゃう…

「……お母さん…私は産まれてこない方が良かったのかな…」

持病持ちだった母は、なんとか私を産んでくれた

私はそのせいで、母の持病が悪化したのでは、とずっと思ったいた

でも、それを母に聞いた事は一度もなかった

聞いたら、いけない気がして…

そんな母が死んだ時は、言い表せないくらい悲しかった

もう、こんな想いはしたくないと、そう思ったのに…

またそれを味わわなければいけないなんて、神様はなんて残酷なんだろう…

無理矢理、涙を引っ込めて、私は翔くんが寝ている寝室に戻り、眠りについた

だけど眠れる訳もなく、いつのまにか朝を迎えていた