さっきまでリビングでテレビを見ていた翔くんは、とうの昔に消したらしく寝室から出てくる私を待っていた
「長かったな」
「あ、うん
ごめんごめん」
明日の事は彼には話さない
これは私の家族の問題であり、彼を巻き込んだら駄目だ
いつもと変わらない態度で接する
これはさっき考え、私が出した答え
この動揺している心を知られて、心配させる訳にはいかないのだ
「誰から??」
もしかして男か、と睨みながら詰め寄ってくる
「ふふっ、違うよ~
中学の時の知り合いの人
女の子だから心配しないで
もぅ、すぐそうやって心配するんだから」
「……心配なんてしてねぇし
ただ…気になっただけだ…!!」
「はいはい」
彼の頭を背伸びをして撫でてあげる
素直じゃないところが、本当に可愛らしい
少し頬が赤くなったのを、私は見逃さなかった
「…風呂入ってくる」
すると逃げるようにして、脱衣所に行ってしまう
「ふぅ…」
小さく溜め息を吐いた
どうかこのまま気づかれませんように、と心の中で祈った