そろーと下から覗こうとしたら

「ほわぁ…!!」

抱き締められてバランスを崩した

「………」

「翔くん…??」

抱き締めたまま何も言わない、翔くん

どうしたんだろ??

心配になって彼がどんな表情をしているのか見ようと試みるが、余計に腕の力を強くする

「どうしたの??
どこか気分でも悪いの??」

「……りりか…」

やっと喋ってくれた!!

「何??
どうしたの??」

「…アイツに抱き締められてんなよ…」

ぼそぼそと聞き取れるのかわからないくらい小さな声

「……もしかしてヤキモチ??」

「…ちげーし」

嘘ばっかり

図星を付かれたから、一瞬肩が動いたの私は知ってるんだからね

「ふふっ、そっか
ありがとう」

「なっ…!!
だから、ちげーて言ってんじゃん!!」

「ごめんごめん」

だって、嬉しいんだもん

だいたいは、ヤキモチを妬く係は私な訳だから

「…私が好きなのは、翔くんだけだよ」

ううん、“好き”なんて言葉じゃ物足りないくらいかもしれない

「………あっそ」

ベッドに横になり、私にそっぽを向けて雑誌を読み出す

あ、照れてる

そんな姿を見たら、余計に愛しさが湧いてきた