「お節ね、りりかちゃんにも手伝ってもらったの
ホント、手際が良くって驚いちゃったのよ」

「そうか」

スーツの上着をお母さんに渡すと、お父さんが微笑みながら言った

「あ、いえ
それほどでも無いです…」

主婦歴が長い人にそんな事を言われるのは、本当に恐縮である

「謙遜しちゃって~、もう
一人暮らしなら、自炊でしょ??」

「はい」

「何が一番得意??
あ、私はもう聞くまでもなく肉じゃがよ!!
ありふれてるとか、言わないでよ
これは女の武器なんだからね!!」

「ふふっ、そうですね
女の武器ですね」

なんだか、同い年の子と話してるみたい

それくらい、気兼ねなく会話が出来る

「わかったから静かにしろよ」

と少し怒り気味の翔くんが言い放った

「あら、親に向かって何よ
ホント、反抗期はやぁね~
ねぇ、パパ」

「本当だな」

ニコニコと微笑み合う両親に、私も自然と頬が緩む

仲が良いなぁ