「翔がね、初めてりりかちゃんの事話した時、驚いたわ
やっと、本命の子が現れたって
今でも覚えてるわ
貴方の話してくれた時の顔が、とても愛しい人を見るような目だったって」
「………」
その言葉で、私が愛されている事がひしひしと伝わって胸がギュッとなる
「その時から、ずっと気になってたの
晃も、りりかちゃんの話をするから余計に
けど私、デザイナーしてて、どうしても日を開ける事が難しくって…
だからホント、会える日を楽しみにしてたのよ」
ニコリと微笑みかけるお母さんに、吊られるように私も微笑んだ
「あ、ありがとうございます…」
そんなに楽しみにされていたのだと聞くと、なんだかむずかゆい
「ふふっ、本当に良い子
あの子には勿体ないわね
あんな不良なんて、私だったらお断りよ」
まぁ自分の子なんだけどね~、とニコニコと付け加えた
「翔は無表情で無口で不良だけど、これからもよろしくね」
「い、いえ…!!
こちらこそ、よろしくお願いします!!」
ぺこりと頭を下げたら
「あ、何かやなことされたら、私にいつでも言ってね!!
ガツーンと叱るから!!」
と冗談が振ってきて、二人で笑いあった


