「ホント、やな息子よね~??
こんな子ほっといて、行きましょ」
そう言うと、お母さんは翔くんを置いて部屋に入っていった
リビングはカウンターキッチンがあり、まるでドラマなどに出てきそうな雰囲気だ
「ごめんね、まだお節が少し出来てないの」
キッチンで料理を再開する
「あ、私も手伝います」
「え、そんなの悪いわよ
お客様なんだら」
「いえ、そんな」
「ふふ…じゃあ、一緒にしましょう♪」
「はい!!」
パタパタと駆け寄り、指示されたように手伝っていると、お母さんがふふっ、と小さく笑った
「なんか、あれね
娘が出来たみたい
ほら、私、息子二人でしょ??
こういうの憧れてたの
りりかちゃん、ありがとう」
「え、いえ、そんなっ」
私こそ感謝だったりする
こんな風に料理をするのは、お母さんが亡くなって以来で懐かしい
毎日、お母さんと一緒に料理したな…
胸がいっぱいになって、少し目頭が熱くなるのを抑える


