「…じゃあ、中見て」
腕を解いき、私の涙を指で拭いてくれる
「…うん」
綺麗なラッピングを外して、箱を開ける
「わぁ…指輪、だ…」
「…これ、俺とペアだから無くすなよ」
うん、と大きく頷いた
「ほら、左手出してみ」
言われた通りに左手を出すと、翔くんは指輪を薬指にはめた
「…わぁ~…結婚指輪みたい…」
マジマジと見つめる、私
「…いつかホンモノ、はめてやるよ」
まるで、プロポーズだ
「うん、待ってるね」
あ、そうだ!!
「私もあるの」
鞄からプレゼントを取り出して渡した
「えっ、マジで!?
やべぇ、チョー嬉しい!!」
いそいそとラッピングを剥がして、ピアスを見た翔くんはニコニコと微笑んだ
「やっべぇ…マジチョー嬉しい…」
喜んでもらえたなら良かった
「りりか、着けて」
ん、と頭を私に近づけた
「私、人のピアス着けるの初めてなんだけど…」
ましてや、自分でさえも着けた事がないと言うのに、人の耳に着けるなんて以ての外だ