またあの美味しいケーキと、楽しい晃さんに会えるのかと思うと、今からでも心が弾む

「じゃあ行くか」

「うん♪」

電車で来た道を戻り、少し歩いていると見えてきた晃さんのお店

どうやら既にパーティーは始まっているみたいで、中は人でいっぱいだ

──カランカラン

私達が入ってきたのと同時に、クラッカーが鳴って二人して固まってしまった

「いらっしゃーい、二人とも♪
驚かしちゃって、ごめんね~♪」

出迎えてくれた晃さんの右手には、使用済みのクラッカーが握れている

クラッカーのいたずらは、彼の仕業か…

「てめぇ、びっくりするだろっ」

翔くんが今にも胸ぐらを掴みそうな勢いで言った

「かっ、翔くんっ…!!」

「あ、大丈夫だよ、りりかちゃん
こんなの男兄弟にしたら、日常茶飯事だから」

ケンカになるんじゃないかと焦った私とは反対に、朗らかに晃さんにそう言われた

そ、そうなのか…

これが日常茶飯事って、凄いな…

一人っ子の私には、到底理解出来なさそうだな…

「翔も、遊び心でやったんだから、んなムキになんなよ~
彼女に変な心配かけんな」

「……わぁったよ」

パッと手を離した、翔くん