──次の日

「じゃあ、行ってきます」

玄関まで見届けくれる翔くんは、何か物足りなさそうだ

「…うん…
…やっぱ、俺も着いてったら駄目…??」

今朝起きてから、あの必殺技でこの一点張り

何度心が揺らいだことか…

でも、クリスマスプレゼントを本人にバレてしまったら元も子もない

「ごめんね、それは出来ないよ」

「…寂しい、あ!!」

と何か思いついたようだ

「キスしてくれたらいい」

「えぇ?!」

何をいきなり言い出すの!?

硬直する私を余所に、ほら、口を指差す

翔くんは頑固だから、これをしない限り行かしてはくれない

それに待ち合わせの時間も、刻一刻と近づいてきていた

ここは腹を括るしかない…!!

頑張れ私…!!

かなり背伸びをして、頬に一瞬のキスを落とした

これが私なりの精一杯だ…!!

「…ふはっ」

それなのに小さく笑った、彼

笑うって何よー!!