「ごめんなさいね。少し怖がりなのよ」
「…いえ」
「グレン様、花嫁様にご挨拶をしないと海鈴様に叱られてしまうわよ」
「…う」
ビクッと身体が震え男の子はフェイランさんの影から右目だけをだし私をみる
「…あ」
小さい子って、接し方とはよく分からないけど…こうゆう時って視線を同じにするといいんだよね?
膝をまげ、そのまましゃがみこみ私は手を差し出す
「こんにちは。えっと、グレン君でいいのかな…私の名前はいのりです。よろしくね」
「………」
そんな私にグレン君くんは、恐る恐るフェイランさんの影から身体をだし、控えめに手を握る
「…グレン…だよ」
「うん」
小さく、消えてしまいそうな声で呟き、それに対して笑うとグレン君の口元もわずかに緩む
「偉いわ。グレン様。小鳥ちゃん、ちなみに気づいてると思うけれど、グレン様は海鈴様の弟君よ」
「そう、みたいですね」
お兄様って言っていたし、髪の毛の色とブルーの瞳が海鈴さんに似ているもの
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