人間離れしたその容姿は私に恐怖を与える
「………っ」
どうしよう…逃げたい。逃げたいのに、身体が動かない
立っているのもやっとで、今にも崩れそうな身体を必死に押さえると更にマントを被った男が帽子をとる
「はは、じじ様の顔に怯えているではないですか。それに、隠さなくていいのですか?」
「構わぬ。どうぜ排除すべき人間。排除されては我らの姿は口に出来まい」
外れた帽子の男は、若いようだ。だが同じように額に傷がある
「それも、そうだ。それでじじ様…どのように排除を?」
「痛みを与えるのはえごだろう。一思いにやってやれ」
「御意」
そう頷き、若い男は薄い口元をにやつかせ私に手を伸ばす
「村瀬いのり…アイツに出会ったのが、運のつき。それもまた己の運命だ」
「あっ」
「痛みを与えるのは堪らないが、それは押さえてやろう」
そ、そんな………
伸びてくる手…だめ
掴まれたら、わたし…たぶん…生きられなくなる
死ぬわけにはいかない。だって…私がもし…ここで死んだら、お父さんが一人になっちゃう
私を男手一つで育ててくれたお父さん
お母さんがいなくても、大切にしてくれた…そんなお父さんを一人にするわけにはいかない!
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