二重人格神様






「では、ちなみに、それは誰から聞いたんだい?」


「誰って言いますか…私のおばさんが…龍神様だって…」


「なるほど、それで、キミはそれを信じたわけだ」


「信じたって言うか…確かめたくて、聞いてみただけで」


「あぁ、そうだよね。しゃないと、ですか?なんて聞かないか」


「…………」


納得したように頷き、彼は私から視線を外し岩を眺める



「まぁ、隠してることじゃないからいいけど…そうだよ。僕はこの村では龍神様と呼ばれてる」


「………」



う、うそ…やっぱり、本当だったんだ…



私の、今目の前にいるのは神様…そうか。そうだよね…雰囲気や見た目はこの世のものとは思えないもの


信じられない現実に視線を反らすと、そのまま岩に寄りかかる


「それで…キミの願いは?」


「………え?」


「だって、龍神に願いを叶えて貰えた人の話も当然聞いたんだろう?」


「…は…はい」


「キミはそれを聞いて僕に会いに来たんでは?叶えて欲しい願いのために」


「………」



…は、はい?