二重人格神様





「えっと、ご心配をお掛けしました」


「いえ、お怪我の具合は?」


「大丈夫です」


「よかった。あんなことになったのも、半分はわたくしのせいですものね」



「え…?」


「ほら、海鈴様のことで、残酷なことを話したから」


「……」


「動揺させてしまって、ごめんなさいね」


「…いえ」


なんか、やっぱり嫌だ。ルーテルさんのこと、嫌いではないけれど…ここにいるとまた嫌なことを聞いてしまう。その前に行こう



「私は、大丈夫ですから。あの、それより、私…用事があるので失礼します」



「そう、ごめんなさい。引き留めてしまって」

「いえ、でわ…また」



再び頭を下げ、歩きだすと…



「あ、いのりさん?」


「…?」



突然、腕を掴まれグッとルーテルさんの顔が近づく


「な、なんですか?」



「気をつけてね」

「はい?」


「用事って、海鈴さんの所でしょう?」

「…それは」

「いいの、別に。それより、気をつけて」


「…?」

「今日は下弦の月夜だから」


「下弦の月夜?」



空を見れば確かに下弦の月