「そうだよ。どこを見ても僕じゃないか」
「…」
「久しぶりすぎて、忘れたのかな」
「そんなこと」
ない、だって好きな方だもん…だけど、今の海鈴さんの返事…嘘っぽい
ニコニコして優しく言うから信じてしまいそうになるけど…信じられない
「……」
そう思えばつい黙り込んでしまい、うつむくと肩から手が離れる
「あれ、機嫌損ねたみたいだね」
「…」
「ごめん。また後で話そうか。色々と話したいこともあるから。夜、いつもの部屋で待っているよ」
「…はい」
「じゃあ、紫音、行こう」
「…あぁ」
先を歩いて行く海鈴さんの背中を追うように紫音さんも歩きだし私の横を通りすぎようとすると不意に立ち止まる
「??」
「もしかして、あの事知らないのか」
「…え?」
「いや、いい」
「……」
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