「いいえ…そうじゃ、ないわ」
「なら、どうした」
「呉羽様が来たのよ」
呉羽、その名前に海鈴はフェイランを見つめため息をはく
「あいつ…僕がいない時は来るなって言ったのに。前の集まりで呉羽に新しい花嫁のことを聞かれて話したのが間違いだったよ」
「……」
「で、一体なにを言ってた?」
穏やかに言う言葉には濁りなんかなく、黙るフェイランをいたわるような声にフェイランはゆっくりと言う
「実はね…」
「うん」
「宝の持ち腐れですって」
「え?」
すらっとした長い脚を絡ませ膝に手をあてる
「どうゆう意味?」
「私もよくわからない。でも、小鳥のことそう言ってたの。味方には気をつけろともね」
「へぇ…そう…か…呉羽がそんことを」
「あぁ、なんだと思う?」
その言葉に海鈴は考えこみ、美しい夜景を見つめる
「そうだな…」
「…」
「なぁ…フェイラン」
「はい」
「この街の夜景は美しいと思わないかい?いつか人間界で見た大都市の夜景も人工的でいいけれど、こうゆう素朴で質素な夜景もいい」
「…」
思った答えと違う言動にフェイランは呆れたように肩を撫で下ろし組んでいた脚を反対にする
「そうやって、すぐ誤魔化す」
「誤魔化してなんかないよ…ただ、思ったことを口にしただけ」
「それが誤魔化してるのよ。」
「…」
「……」
プィと頬を膨らませて海鈴から視線を外すフェイランに海鈴は頬をかきひっそりと微笑む
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