「い…っ」
何が起こったとか、一瞬わからなかったけど、腕に感じる激しい痛みとカーペットを染めていく赤い液体に理解できた
「あっ…い、いのりっ!」
そして何より、それを実感したのは目の前で沢山の涙を浮かべながら震えるグレン君の姿で…私は痛みをこらえニコリと笑う
「だ、大丈夫だ…よ」
「え…」
「だ、大丈夫…このくらい」
腕を抑え流れる血を止めようとすると…
「大丈夫なわけがないだろう!」
「!?」
ガタっという音とともに向かいの席にいた呉羽さんが近づき腕を掴む
「グレン。早くフェイランを呼んでこい!」
「…え」
「泣くな!男だろう!それより早くしろ、グレン!」
「ぁ…う、う…んっ」
そう頷くとグレン君は震える脚を必死に立たせ勢いよく部屋を飛び出した
「グレン君…」
大丈夫なの?震えていたのに…おびえていたグレン君が心配で思わずドアを見つめていると不意に声が響く
「お前、他人の心配している場合か」
「うっ…」
腕を布で縛られ手際よく止血されてまた痛みが走った
「まったく…俺たち神は人間より怪我しにくいんだよ…かばう必要なんてないんだ」
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