「あ…その」
「なんてね、いのりからのキスを待つつもりはないから」
「…ん」
そう言ったが、最後…海鈴さんの唇が私の唇に触れた
最近、海鈴さんは触れるだけのキスを繰り返す。くっすぐったいけど、どこか熱くなるキスが日課だったのに
なんか、今日は……っ
「…ん」
今日はなんか違う。熱つすぎるほど熱い情熱的なキス
苦しくて、魂が抜けてしまいそうな口付けが気持ち良くて、思わず身体の力をぬき、彼の服を握った時だったー…
ドンッ!!
「お兄様!」
「「!?」」
勢いよく、ドアが開き幼いその声に海鈴さんと振り向くとそこにはグレン君がいた
「ぐ、グレン君?」
「あれ、いのり?…」
私と海鈴さんを交互に見つめ、僅かに眉を潜める
「ごめんなさい、僕…またお邪魔しちゃった」
え…………あ!
いきなりで、忘れていたけど、今の体勢は海鈴さんに抱かれているわけで…
「ち、違うよっ!」
あわてて海鈴さんから離れ、グレン君に近づくとプクッと頬を膨らませる
「別にいいんだもん、いのりはお兄様の花嫁なんだから」
「いや、で、でも」
さすがに、子供に見られるはよくない。教育的に!
すっかり火照ってしまった頬を叩き、必死に誤魔化そうとすると海鈴さんは平然とした顔でペンを再びもつ
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