「じゃあ、見た目はかなりのおじいちゃんですか?」



「いや、それがそうでもないんだ」


「?」


「見た目が老いないんだよ。傍観者はね」



「…あら」


羨ましい、ずっと若いままだなんて


いいな、なんて思うと肩にあった手が頭に移動し、彼の肩に寄り掛かるように抱かれる






「…?」


「もしかして、いいな、なんて思った?」


「…え?」


あ、バレちゃた?思ったことを当てられてしまい、小さく頷くと海鈴さんは切なそうに口をひらく


「よくなんかないよ


「?」



「限りある命だから、生まれて少しずつ成長し老いていく、だから命あるものは必死に生きるんだよ。僕らみたいに長くない生だから、美しくて儚い。必ずしも、長く生きて、姿が変わらないのは幸せではない。それだけは、僕は神として生まれたのを後悔してる」



そんな、後悔してる?神として生まれたのを?



そんなの…



「そんなこと、言わないで下さい」



「…?」


「だって、だって…」



もし、海鈴さんが神様じゃなかったから…



「海鈴さんに、会えなかった…」


「…え?」


「海鈴さんが、神様で長い命があるから私は海鈴さんと出会えた。だから、私は海鈴さんが神様で良かったです…」