そんな、歴史があったんだ


知らなかった。人間と神様の間にそんなことが…でも…



「その、女性の神様は強いですね」


「え?」


「だって、乱暴されたのに、平和を願うなんて…戦争が終わり二人は幸せになったでしょうね」



そう言うと、海鈴さんは顔を曇らせる



「幸せには、なれないよ」


「…え?」


「神は力を持ち、生き物の力を身に宿すから長い時間を生きれる。それなのに、力を失えば…生きることは出来ない」


「…!?」


「彼女はね、平和と引き換えに、永遠の眠りについた」


「……」


「彼女の伴侶は悔やんだよ。悔やみ悔やみ、悩んだあげく…生涯、その罪を背負うことを約束した」


「…罪を?」


「そう、いのりは行ったことはないし、あの王にもあったらことはないけれど、彼とその子孫は…冥界と言う光のない世界で住み、犯罪を犯した神達を裁き…監視すること、それが償いなんだよ」


「…」


「醜い歴史だと思わないかい?力をもち長い生をもつけれど、実際は何よりも汚いんだ。僕達はね。だから、人間のいのりは僕からは輝いて綺麗に見える」


「…そんなこと…