さっきとは違い、私が海鈴さんに抱きつくような体勢
ドクン、ドクンと耳をかすめる心臓の音は異様に規則正しくてつい聞き入ってしまいそうだ
私の心臓の音とは違う。まるで、平常心
「いのり?」
「…はい」
「もう、抱いてだなんて簡単に口にしてはいけないよ」
「…」
「僕は言ったよね?いのりは特別だと。だから、抱かない。特別な子をただの気休めには出来ない」
「で、も…」
特別だと、言ってくれるのは嬉しい。だけど、だけど…
「その、特別は…どうゆう意味なんですか?」
私を、好きだと言う意味?
人間の花嫁って意味?
ただの、偽物って意味なの?
何回も言われた、特別だと。海鈴さんにもアレスにも。その意味はどれなんだろう
彼に抱かれたまま、見上げるように海鈴さんを見つめると彼はそっと私の後頭部に手を添える
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