二重人格神様





予想外、だったんだろう


私の口から出た言葉に目を見開き、すぐに細められる



「どうゆう…ことだい?それ」


「それは、その…ルーテルさんと…ライに言われました…」


「…」


「海鈴さんは…優しいから…花嫁のみんなを抱いてるって…優しのは私だけじゃないって…それだけじゃない、海鈴さんがどうやってルーテルさんに触るとか…色々と…っ」


「…」


「1人になったのも、ルーテルさんからそんな話は聞きたくなくて…海鈴さんとの約束を破りました」


「…っ」


「ライにも、海鈴さんは他の花嫁といるから…助けになんか来ないって…苦しかった…よく、分からないけど…苦しくて…」



「…」


あ、駄目だ。思い出すだけで視界が歪み、ポロッと涙が頬を伝う



「だから、楽になりたかった…っ…海鈴さんが来てくれた時も嬉しいと思いました…だ、けど…他の花嫁に触れた手で触られたくなくて…わたし…っ」



よく、見れば手に残る傷。私が叩いた時のだ



「ごめんな…さい…わたしは、海鈴さんを傷つけました…っ」


「…いのり」



あぁ、もう、いい


泣きたくなかった、けど、涙が止まらなく次から次に流れ落ちる涙を拭えば


私の手を掴み、そっと額に唇を落とす



「…あ」


「ごめん、そうだったんだね…」


「…っ」

「アレスと出掛けた時に、ルーテルが一緒に行くことになったのは知っていたんだ。アレスの配下が教えてくれたから。だから、不安だったけど、見事に惑わされたな」




ため息をはき、唇を離し涙を拭いていく



「事実だよ」

「…え?」


「僕が、いのり以外の花嫁と関係を持ってるって話し」


「…っ」

ズキッと胸が痛む。やっぱりそうなんだ…


「……」


「いのりがここに来るまえから、ずっとね」



ずっと…そう、なんだ…ルーテルさん達はずっと…海鈴さんと…


どうしよう、やっぱり、なんか嫌だよっ


好きなんだもん、本人から認められてしまうと苦しいよ



鋭い刃に刺されたような痛みに顔を反らし、グッと唇を噛み締める