背中を触られるって、なんて心地いいんだろう
好きだから、余計に…
そう、その温もりに包まれていると…
「ねぇ、覚えるかい?いのりが初めてここに来た時のことを」
「え?はじ…めて?」
「そう、ここに来て、僕が部屋を訪れたときにいのりはふらついて僕に倒れかかったよね?その時と一緒だよ。ドキドキしていて、傷だらけだ」
「……っ」
背中の手を肩に移動させ、少し身体を離すと海鈴さんの瞳が僅かに細められる
「すまないね、約束したのに…また、君をこんなに傷だらけにしてしまい。身体も心も」
「そん…な」
「まだ、痛むかい?」
首に巻かれた包帯を優しく触り、私の顔を覗きこむように見てくる
「少し、だけ…」
「そう…か」
「なんて言うか…僕はさ、少しだけ悔しい…いや、少しじゃない、もの凄く悔しい」
「海鈴、さん?」
首の手を離し私の腕を握りながら服をたくしあげ包帯に触れる
「…?」
「いのりを守りたいに、僕はいのりを守れなかった。守ったのはあの不振な奴だ」
「…」
それって、マントの神様だよね?あの彼等を退かせた…誰かは分からないけど、私の味方だと言う彼
確かに、あの彼がいなかったら私はこんな怪我では終わらなかった。で、でも…
「海鈴さんも、来てくれました…」
あのときは勘違いしたけど、真実を聞いてからは心から嬉しいと思ってる
腕を掴む海鈴さんの手に自分の手を重ねると、彼は苦笑いを浮かべた
「そうだね、でも、来ただけ…心配してやっと見つけた君は、僕を拒否し震えていた」
「…あ」
「さっき、嫌じゃないと言われたけれど、内心気になってる。いのり、何を言われたんだい?」
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