「もう!それならそうと早く言いなさいよ」
「あ…ふ、フェイランさん?」
「そうだ!ついでに、本のおまけもあげるから色々と楽しみなさい」
「ちょっ、きゃ!」
「え?!」
ドサッと鈍い音が部屋に響くと同時に私の体を包む優しい温もりと柔らかいベッドの感覚
「フェイラン!いくらなんでも、投げるのは乱暴じゃないかっ?」
「え?あら、別にいいじゃない。海鈴様なら受け止めるって信じてたのよ」
「…っ」
二人の会話なんか私の耳になんか、入らない
フェイランさんに投げられた私を支え抱き締める腕にドキドキが過疎していく
あ、どうしようっ
身体が動かなくて、身体がどんどんと熱くなる感覚を身に染みていると
海鈴さんの、ため息が聞こえる
「はぁっ、全く…フェイラン、君は随分と狡いやつになってきた」
「ふふ、褒めてくれて、ありがとう。じゃあ、二人の邪魔しないようにわたしは、行くからね?」
「…っ」
「分かった。いいもの、ありがとう」
「いえ、海鈴様の為ならば」
そう頭をさげ、フェイランさんは部屋を出ていってしまった
「「…」」
「………っ」
「…」
「……」
うっ、なんか、気まずい
二人だけになったこの空間になんとも言えない空気が流れること数秒
投げられた身体を海鈴さんが支えたまま、いきなりクスリと鼻を鳴らす
「ふ…」
「………?」
「なんか、随分と前のことを思いだすね」
「…え」
前のこと?
いつのことだか分からなく、そのまま小さく声を出せば海鈴さんの手が触るか触らないか…分からないほど優しく背中に回まわる
「抱いていいかな?…あ、いや…なんて、もう抱いてるか…嫌じゃないかい?」
「…あ」
「さっき、拒否されたから…いのりに触るのが少し怖いよ」
「…」
それ、私が手を叩いて拒否したから、だよね…
あの時は、いやだったよ。だって、聞きたくないこと聞かされたから
だけど、今はなんか違う。
あの事は嫌だけど、私は…
「いや…じゃ、ない」
「?」
彼の服を握り、体を委ねれば海鈴さんの手が私に触れ暖かくなる
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