「なんで、ですか?」
まさか、部屋にいないからとか?
「えー。だって彼、今は落ち込んで引きこもってるから」
「?」
意味がわからなく、視線をそらし首をかしげるとフェイランさんは笑いながら私の頬をつつく
「いやた、惚けた顔しちゃって!小鳥ちゃんのせいなんだから。身に覚えがないなんて言わせないわよ」
「………う」
「だから、私は気を使って本を持って来たのよ。気が紛れるかと思ってね。食べ物も駄目だったし仕事も駄目、グレン様の話もきかないから、次はそれなの」
「…」
なるほど、だから本を持ってたのか…
「小鳥ちゃんが渡せば素直になるかもしれないし」
「そんなこと…」
「あるわよ!ほら、ドア開けるわよ!女なんだなら覚悟決めなさい」
そう言うと、フェイランさんは私の手を握り反対の手で拳をつくりドアを三回叩く
「あ、ちょっ」
「海鈴様、はいるわよ」
「うっ」
やばい、フェイランさんいきなりすぎる
まだ、心の準備出来てないのに!
鼓動が早まり、本を更に強く抱くとフェイランさんはドアをあけ半ば無理矢理に部屋に促されてしまった
「…っ」
フェイランさん、やっぱり力強いんだから!
むなしい抵抗も無駄で部屋にはいればベッドに横たわり私たちに背中をむけるその姿に私はやはり目を奪われる
「…」
海鈴さん…
広い背中に銀色の綺麗な髪の毛、服の隙間から見える腕
あ、どうしよう。あんなことあったばかりなのに…この胸のもどかしさはなんなんだろう
息をするのも苦しい鼓動に襲われていると、海鈴さんの呆れたような声が響く
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