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「いのり様、出来ました。幸いなことに深い傷はなく本当に良かったです」




「…うん」



あのあと、お風呂から上がったあと部屋でアレスから手当てを受けていた



椅子に座り鏡を見ながら頬を触ると片付けをしながらアレスが口を開く




「心配いりません。頬の傷は時間がかかりますが、大丈夫ですよ」


「え?あ、うん…」



「何か、飲み物でもご用意しましょうか?」



「大丈夫だよ。ありがとう」





「わかりました」


「………」


実はれから、私はずっと考えた


それは、無論、海鈴さんのことを



海鈴さんに対する私の気持ち、好きなのか好きじゃないのか


ただの、私を守ってくれる神様としか思ってないのか



自分のことなのに、自分のことがよくわからない



「ねぇ…アレス」


「…はい?」



片付けを続けるアレスの背中に向かって言えば、彼はすぐに私の方向を振り返り優しい顔つきで私を見つめる



「どうされましたか?」


「うん、あのさ…さっきの続き…話していいかな」


「続き?」


「うん、ほら…海鈴さんを好きとか…そういうこと」



私がそう言うと理解してくれたのか、頷き片付けをやめ私の近くに座る



「まだ悩んでいたんですか?途中から黙りこんでいたのは、そう言うことでしたか」


「ま…まぁ」


「考えても、答えがでないのですね」


「うん…」