「………っ」
それが、アレスの手だって理解するのは早かった
私の背中を撫でる手は、優しくて強い手
「…アレスっ」
「大丈夫ですよ…もう」
「…え?」
「色々と怖い思いをさせて、すみません」
「………っ」
色々って、どういう意味だろう。ライのこと?海鈴さんのこと?
いや、多分どっちもだろう…
アレスはきっと、何もかもわかってると思う。いつもそばにいてくれて、私の食の好みも睡眠のタイミングや好きなもの、嫌いなものわかってるから
だから、きっとフェイランさんみたいな勘違いをしてなく、遠くからわたしをみていたんだろう
「…アレ、ス」
「大丈夫です」
「……っ」
「ライもいません、海鈴様も帰りました。ですから、思い切り泣いて下さい。今日だけ特別に私の胸をかします」
「…あ」
ぎゅうとアレスの腕が私を抱いた
「…………っ」
アレス………
アレスは優しいな。
そして、アレスの胸は力強い感じがする
海鈴さんとは、また、なにか違う優しさ
ドキドキするよりは、安心するような不思議な感覚
「…」
お父さんみたいな、そんな感じ。
それから、暫く…アレスに抱かれなから私は小さく泣き続けた
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