その手を取って、優しさに触れたい
でも…触りたくない、触られたくない
誰かを抱いた手になんか…いやだよ
なんで、こんなことを思うんだろう。ルーテルさんやライから告げられた時以上に本人を前にして更に強く…そう思ってしまう
「……」
「いのり?どうしたんだい?」
手を取らない私に、海鈴さんは私を見つめると…一呼吸おいて私に手を伸す
「ほら、おいで」
「…あ…」
ドクンと胸がなり、海鈴さんの手がスローモーションのように見える
い、いやだ…今は……っ
「ぃ…やっ!」
バシッーー…
「……!」
「…!?」
「触らないで!」
「…」
「………あっ」
手がぶつかる音と自分の声とは思えないほどの大きな声に、初めて自分のしたことを理解した
わたし…何を、して……
「…っ」
「…………」
海鈴さんの手を振り払ってしまった
心配してくれたのに、わたしは…わたしはっ
「………っ」
酷い事を、最低なことをした。わかってる、わかってるけど…言葉が出てこない
出てくるのは、自分の醜さに対する涙だけで……
それを隠すように肘を抱え、顔を隠せば海鈴さんがそっと息をはく
「いのり…」
「…っ」
「僕はまた、君に嫌われることを…って、あぁ…もしかしてアイツが言っていた君を傷付けたってことに関係してるのかな?」
「……っ…!」
「言わないと、わからない」
「………」
「……っ………」
「…はぁっ」
何も言わないで、ただ一人でなく私にイラッとしたんだろう
深いため息の後に、彼は髪をかきあげ口を開く
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