「…………」
な、なんだったの?
事の一部始終が信じられないことばかりで唖然と座りこむ私に彼は平然とフードを被り直し私の前にしゃがみこむ
「…あ」
「大丈夫?怪我は…って、しているな」
「……」
「可哀想に、女の子に酷いことを」
長くきれいな手を伸ばし、そっと私の頬に触り僅かに流れる血を優しく拭う
「うん、対して深くない、傷にはならないだろう」
「……………」
「…って、泣いているのか?」
「え?」
泣いている?わたしが?
「そんなこと…っ」
…あ
否定したかった。否定したかったのに、ポロと涙がこぼれ血が混じり服に落ちて泣いていると実感する
あ、はは…わたし、泣いてる
「いやだ…ごめ、んなさいっ」
また、泣くなんて馬鹿じゃん
馬鹿だけど、なんでこんなにも涙が温かいんだろう。
だけど、実感できた…わたし、生きてるんだって
「…」
「泣いてはいけないよ、その涙は君が愛した者の前しかいけない」
頭を撫でられ、そのまま乱れた髪を直される。不思議と嫌じゃなく、落ちつく手に私は、顔の見えない彼を見つめた
お礼、言わないと…二回も助けてくれたんだから
「あの」
「どうした?」
「ありがとう、ございました…」
「…?」
「助けてくれたから…」
「いいよ。私は味方だから」
また、それ…味方か…
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