「じゃあな、人間。身体は弔ってやるよ」
「…っ」
そう、刀を振り下ろそうと腕を高く上げた瞬間ー…
「いいのかい?そんな簡単に、人生を諦めてしまって」
「「!?」」
また、と言うべきか、再び私の頭の方から聞こえて来た声
え、だ、だれ?
海鈴さんでもアレスでもフェイランさんでもない声に首を動かし頭上をみれば
そこには、黒いマントの男が地面に胡座をあき腕を組んでいる。老人のように顔はフードを深々と被り見えないが声質からして若い
そんな男の登場にライは眉間にシワをよせ、舌打ちをする
「お前、なんのつもりだ?見張りはどうした。ここには来るなと言っただろう」
「…え?」
仲間、なの?
ライの言葉から二人は知り合い…いや、見張りと言う単語から仲間だろう
分けがわからなく、ライと男をみれば男はライの質問を無視し口を開く
「村瀬いのり、君はここで命を落とす運命ではない」
「…え?」
「はぁっ!?おい、てめぇ…なんなんだ。指定された場所に戻れ!」
「ほら…立ちなさい。君なら立てるから」
「…………」
なんだろう、なんでだろうか。彼の言葉は不思議だ。スッと私の胸に染みる声
この声、覚えてる…確かこの声は…あの日…私を彼らから助けてくれた彼だ
あのときの、彼が…なんで?
二度と合わないと思っていた彼、そんな私の気持ちがわかったのか、ニコッと口元が微笑むのがわかった
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