二重人格神様






海鈴さんのことを考えるだけで、痛い



こんなことになるなら、アレスの言うことを聞いておけば良かった



ルーテルさんが悪いわけじゃないけれど、彼女の言葉がこんなにも重いだなんて…



「もう…どうしたら、いいのっ」



お父さん、助けて…助けてよ。教えてよ、なんでこんなにも、苦しいのか




「…お願い…たす、けてっ」



そう、膝を抱え…小さく呟いた時だったー…













「へぇ…なら、俺が助けてやろうか」



「…………?」



突然、背後から男の低い声が響く


聞いたことのあるような、ないような…声。



安心するような声じゃない、不思議な事にドクンと心臓が嫌な音をたて


脳内で逃げろと警報をならしてる


「………」


だ、れ…なの?


震える手を抑え、涙をぬぐいゆっくりと声の主を見るため振り向くと…







「………………あっ」



そこには、笑顔を浮かべる男と黒いフードのマントを深々と被る老人らしき人物



腰が曲がっているのか、マントを引きずり杖をついていて顔はよくわからない



だけど、分かることがある。それは…



「久しぶりだなぁ…人間の花嫁」

「…っ」



もう一人の男は、人間界で私を襲った…フェイランさんにライと呼ばれた男だった