二重人格神様







危ない…に、逃げたほうがいいかもしれない



ゴクリと生唾を飲み込み、警戒するように更に数歩下がると彼女はキョトンと首を傾げる



「ふふ、そんな風に逃げたら、余計に奪いたくなるわ」


「あ、はは」


かがんでいた体勢を戻し、髪の毛を耳にかけるとキラッとした赤の宝石のピアスが光る



「ふふ、まぁ…でも、今日は奪いに来たんじゃないから我慢ね。主(あるじ)様に怒られてしまうわ」


「………」


「それで、本題だけど…髪の長い男を見てないかしら」


「………え」



髪の毛の長い男?もしかして…恋人?


な、なんだ…そっちの人じゃないんじゃん。しかも恋人がいるのね


下がる脚をとめ、さらに下がったボストンバックを肩にかけ、私は手を左右にふる



「えっと…ごめんなさい。そのような方はみてません」


「え?あら、そう…おかしいわね…」



頬を触りながらうなり、暫くしてクスッと笑いながら私をみる