「そうかな?不満そうな顔だよ」
「…気のせい、ですよ」
「気のせいね。じゃあ、そうゆうことにしておくよ」
「……………」
私から手をはなすと海鈴さんはアレスやグレン君がいる部屋のドアをみつめ目を細める
「じゃあ、僕は行くから。父親のことはまたなにかあったら言うよ」
「…は、い」
「それから、アレスと出掛けるんだよね?」
「…?」
な、なんで知ってるの?海鈴さんは居なかったのに?
「気をつけるんだよ。何があってもアレスから離れてはいけない。それから、知らない奴について行かないこと、二人きりにならないこと」
「………」
「あと、目を合わせるのもよくない。他の神から僕の新しい花嫁だと後ろ指を指されるかもしれないけど、気にはしなくていい」
「さらに、言えば「あ、あの」」
「?」
「わ、わかりましたから。そんなに、過保護にならないでください。アレスもいますし、子供じゃないんですから」
まるでお父さんのような心配の仕方
嬉しいけど、嬉しくないような、微妙な気分だ
「過保護にもなるよ。いのりが大事だから」
「…………っ」
「なんてね。まぁ、いいや…じゃあ、本当に気をつけて」
そうつぶやくと、海鈴さんは軽く手をふり足早に去って行ってしまった
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