「どうだい?やはらこの世界の月は、綺麗だろう?」
「はい…」
「いつも見てるけど、なんでだろう。今日は特別綺麗に見える」
「……う…ん」
それは、私も。
グレン君と見たとき、初めてこの世界の月を見たとき、寂しくて月を眺めた時
思いだしても、今日…いまこの瞬間の月が一番綺麗にみえる
海鈴さんがいるから…だよね。きっと。や、絶対
そう小さく頷くと彼は私の顔を覗きこみ、私の瞳を見つめる
「そう言えば、人間界には月にはウサギがいるって言われてるんだってね」
「ウサギ?よく、知ってますね」
私も小さいころ、それ信じてたっけ。お父さんとお団子を作って食べたっけ
かなり昔の記憶を思いだせば、海鈴さんはクスリと何かを思いだすように笑う
「知ってるよ。昔ね、ある女の子が僕にいびつな…お団子を持ってきて楽しそうに月にはウサギがいるって話していたから」
「………?」
お団子を持ってきて?
「えーと、お供えってことですか?」
確か、あの町で海鈴さんは龍神様。あの岩にお供えする人は沢山いたもんね
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