二重人格神様




「…かっ」


あり得ないほどの至近距離に身体に掛かる銀色の髪の毛


やばい…自分でも分かるほど、ドキドキしてる…


「…あ…のっ」


「僕はね、いのり」


「……んっ」


唇にあった手を耳に移動させ、耳朶をいじりながら口を開く


「少し、普通の神様とは違うんだ」


「…ぇ」


な、何を…こんな時に!

「普通の神は生まれながら、自身にあった一定の力を持っているけれど、僕の一族は違う」


「……うっ」


「僕はね、人間の願いを叶え力を蓄えなくてはいけないんだ」


「ぇ…に、ん…」


人間の、願いを?


「そうだよ。だから、あの河川敷に岩がある…あれは僕の一族が人間の願いを叶えるために作ったんだ。あれを通し、人間の声を聞き願いを叶え力を作る」


「…っ」

「人間の願いを叶えると、強力な力を得られるけれど、叶え続けないと力を保てないんだ」


「…ん」


そ、そうなの?


な、なら……今まで村の皆の願いは、海鈴さんが叶えていたの?



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