「大丈夫だよ。連れ戻そうなんて思ってないから。ただ、グレン君に付き合おうと思って」
「……え」
「あ、でも、グレン君ってばいきなり部屋を出て行ったから…探すのにこんなに時間が掛かっちゃたし」
「あ、それは…ごめ…ん、なさい」
「ううん、見つかって良かった」
グレン君の頭を触ると結んでいたシュシュはない
それは姿を見つけた時から気づいていたけれど、私は敢えて何も言わなかった
あの時の様子からして、取るだろうなって思っていたから
でも、追及するつもりはない
だから、ただ…ただ、グレン君の頭を撫でていると不意にグレン君は振り返り口を開く
「ねぇ…いのり…?」
「ん?」
「どうして…怒らないの?」
「え?」
怒る?わたしが?
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