海鈴さん、女たらし…め
このまま甘いことばかり言われたら、いつか勘違いして好きになりそうだよ
絶対にダメ。私は帰らないといけないんだから!
「もう、それより、早く行きますよ!」
首を左右にふり、海鈴さんと距離を取りながら再び歩き出そうとした時だった―…
パリッ―…
「…?」
突然、屋敷の外から何やらあやしい音が耳に響く
ん?なんの音?
そう、振り替えた瞬間―…
パリッ、ガチャーン―…
屋敷の窓に亀裂が走り、そのままガラスが割れ鋭い沢山の欠片が降ってくるのがスローモーションのよう見える
え…う、うそ…な、なんでっ
「…っ」
あ、危ない!
そう、最悪の事態が頭に浮かびギュウと目を反射的に力強く閉じると…
「…いのりっ!」
グイッ―…
「…あ」
力強い腕に身体が引かれ暖かい感触に抱きしめられれば
沢山の欠片が、床におき粉々になっていくと同時に頬や身体に当たる水滴
「…う」
痛い…いや、いた…く、ない?なんで?
「……あ」
ううん、なんで?なんて疑問はすぐに吹き飛んだ
私の身体に回る腕や、肩にかかる銀色の髪の毛
そして、厚い胸板に色っぽい息づかい
「か…海鈴さんっ」
そう、海鈴さんは私をガラスから守るように抱きしめていてくれたのだ
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