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―――…
「グレン君…はい、次は手を出して」
「う…ん」
数十分後、やっとのことで泣き止んだグレン君を連れ屋敷の中に入りアレスと一緒に彼の手当てをしていた
「ねぇ、グレン君…本当に言ってくれないの?こんか怪我をした理由」
「それ…は」
実は、グレン君を部屋に連れていってから手当てをしながら、この傷の理由を聞いたけれど
彼は"転んだ"とした理由を言わなかったのだ
もちろん、怪我をみるかぎり転んだ怪我じゃないことは一目瞭然
それなのに、言わないって事に私は心配せずにはいられなかった
「あのさ、もしかして…誰かに、やられたの?」
腕に包帯をまき、服をおろしながら言うとグレン君は首を左右にふる
「ううん、本当に…転んだ…だけ、だょ…」
「…グレン君」
「僕…そそっかしいから…っ」
「………」
「よくあるんだっ…だから、大丈夫っ」
明るく言うグレン君だけれど、瞳の奥は笑ってない
誰かを庇っているのか…それとも、話したら…自分自身が危なくなるのか
きっと、どっちかだろう…
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