ビュウ―――…
「…あ…!」
勢いよく、強い突風がふきその拍子に私の頭から帽子がフワッと飛んで行ってしまう
大変!おばさんから借りた帽子なのに!
「待って!」
慌てて手を伸ばし降りた階段を再びのぼり帽子を追いかける
あ、も、もう!ちゃんと手で押さえていれば良かった!
汚れたら大変だ!
忙しいで追いかけ、階段をのぼり終ると嬉しいことにそのまま帽子は河川道路の真ん中にそっと落ちる
「…あ…良かった」
田んぼにでも落ちたら泥だらけになってしまう所だったよ
ホッと安心し、乱れた髪の毛を軽く手で直しながら帽子に近付くと……
「……え」
私が帽子に触れるより一足先に、知らない誰かによりその帽子が拾われる
「……へ?」
スラッとした長い指が帽子にふれ、そのまま視線をその人物に向けるとニコリと優しく笑い私を見つめる
「……」
「これ、キミの?」
「…………あ」
その言葉にドキッと、胸が高鳴った
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