「千沙は、俺といたい? 俺といて、楽しい?」


それはさっきあたしが答えなかった問いかけと全く同じで。


「知らない」


何も言うつもりはなかったのに、するりと喉から声がこぼれだしていた。


「あんたは、あたしがあんたといて楽しそうって思うの、幸せそうって思うの」


言葉に詰まったしろを傷つけたかったわけじゃない、たぶん。
ふっと目をそらして、最後を吐き出した。


「だから言ったじゃない、別にもういいんだって」


だから何も気にしなかったらいい。期待しなかったらいい。
期待するから苦しいんだ。好きだから痛いんだ。

もうずっと痛い。

もはやどこかわからないところがずっと、ずっと。


でもそれも、これで終わることを願う。

あたしはまだしろを好き、かもしれないけど。明日も好きかもしれないけど。

もう好きじゃないんだって。
どうでもいいんだってこのまま念じ続ければ、きっとそのうちそれが本当になる。