この作戦は、失敗か?


「早時は、水菊が生まれ変わるのを待っているんです。
だから、不老不死の鬼になったんです。」


俺は今、炎に庇われている。


「礼孝様。
私は平気ですから。
早時に術をかけないで…。」


炎の澄んだ瞳には、迷いがない。


本気で俺を助けようとしているのが、伝わってくる。


「炎。すまない。
お前の素直な気持ち、嬉しいよ。
だから俺もやっぱり、正直に断る。」


俺は、鬼の姿のまま炎と礼孝を見据えた。


礼孝の戦闘体勢は解除され、先程のどこか自信無げな雰囲気に戻っていた。