炎は、尚もきつく俺にしがみつく。


「炎。鬼を見くびるなよ。
所詮鬼は、鬼でしかない。」


俺は、静かに元の姿に戻った。


俺を包む空気が変わった事に、違和感を感じたのか、炎は俺から離れた。


「ほぉ…。」


礼孝が俺を見て、感慨深げに声を洩らす。


俺は、二人に危害を加えるつもりなんて、毛頭なかった。


ちょっとだけ、怖がらせればそれでいい。


そう思って行動した。