私の言葉を聞いた早時は、形の良い眉を動かし、声を荒げた。


「容姿なんて関係ないだろ!
礼孝は本気でそう思っているのか?
俺は、この自分の顔立ちが大嫌いなんだ。
こんな顔の、どこがいいんだよ!?」


早時は早口で言い終えると、ハッと私を見て、表情を緩めた。


短く息を整えて、早時は次の言葉を続ける。


「だったら礼孝、逆に聞くが…。
炎の容姿はどうなんだ?
そんなのは、関係ないんじゃないのか?
好きになった相手の全てが、愛しいモノになるんだろ!」


私は、シュンと肩を落とした。

早時の言葉は、最もだと思ったからだ。


この鬼は、誰よりも人間らしい…。