早時の広くたくましい胸の上で、あたしは瞳を閉じる。


両腕でギュッと、早時が抱き締めてくれるのを待った。


でも…。


早時はあたしを、静かに脇に下ろした。


「早時。」


あたしは、早時を見つめた。


「炎。
俺が炎を求める事はないよ。」


早時は憎らしい程冷静に、あたしにそう言って、ゆっくりと起き上がった。