千年の追憶*番外編*

俺はゆっくりと呼吸を整えて、炎をじっと見つめた。


きちんと言っておこう。

水菊の事。

俺への恋心は、僅かでも持たないように。


…昔。
俺がまだ人間だった頃の記憶が思い起こされる。


俺は水菊以外の女は要らないんだ。


あの頃は、そんな簡単な言葉を言えない立場にいた。


でも今は、はっきりと言える。