「早時からは危険を感じないから、そんな事はしませんよ。
私はね、例えモノノケだったとしても、むやみに祓えばいいとは思わない主義なんです。」


私は、少し大袈裟に両手を広げて見せた。


「嫌でなければ、キミの話を聞かせてもらえないだろうか?」


早時は、僅かに眉を潜めた。


「人の輪から外れるという意味で言ったら、私もキミも仲間だ。
私もこの特種な力のせいで、立派な嫌われ者なんです。」


早時が警戒心を解くように、自分を自嘲して笑って見せた。