明らかにいつもの態度と違うあたしを、礼孝様は意味深長な表情で伺っていた。


そんな礼孝様にあたしは全く気付かずに、勝手に再会を喜んでお客人を見つめている。


「炎。
申し訳ないが、この方に粥でも炊いてやってはくれませんか。目が覚めた時、きっと空腹だと思うんです。」


なかなか動こうとしないあたしに、礼孝様は痺れを切らしたのだろう。


優しく指示を出した。


「もうしばらく、見つめてからにしますか?」


礼孝様はクスッと笑って、あたしをからかった。


「もう!礼孝様ったら!」


あたしは、恥ずかしさが込み上げてきて、急いで台所に向かった。